高校の頃、変な先生がいた。と言っても通っていた学校は生徒も変なのばかりなら、先生も変人がそろっていたから、大して珍しい先生とはいえなかった。

現国の先生だったのだけど、雨が降れば学校を休み、風が吹けば学校を休むと生徒に言われるぐらいやる気のない人だったが、授業の教え方はなかなか面白かった。受験前に選択科目という授業が用意されて、それぞれ受験に向けて補いたい科目や実力を伸ばしたい科目を選ぶのだが、それでこの先生の現国を選んでみた。

毎回、文章を読んでからあとの問いに答える形のプリントをやらせるのだが、その時先生が言っていたことは
「例えばこの、『傍線Aの内容を、後の4つの文のうち一番適当に説明している物を一つ選びなさい。』と言う問いがありますが、ここで大事なのは一番適当な物を一つ選びなさい、と言うことなんですね。例えば1の文章は、まあちょっと傍線Aの内容にかすっているので30%ということにしておきましょう。で、Bは大体同じことが書いてあります、なので80%。Cは半分ぐらい同じことが書いてありますので50%、Dはまるで違うこと書いてあるので、0%。で、この問題ではBが80%ぐらい内容を説明しているので、Bが正解となります。
しかし、注意しなくてはいけないことは、例えば一つの文が30%ぐらいしか内容を説明していても、他の三つの文が0%なら、30%の文が正解になると言うことなんですね。そしてその逆で、三つの文が80%内容を説明していても、あと一つの文が100%内容を説明していたら、それが正解になるのです。要するに、『一番適当な物を選びなさい』と書いてあるから、それにしたがって選ばなければいけないのです。」
それで言われたとおりやると、確かに問題の理解度がだいぶ上がって面白かった。でも今思うと、あれは社会に出てからも役に立つことだったのかなぁと思う。100%の正解ではなく、そのときの状況から最も適当な物を選ぶ。

そして他に言っていた事は
「ここに『作者はこの傍線Bの部分で最も言いたいことは何か、25文字以内で答えなさい。』と言う問いがありますが、本当は作者が言いたいことではなく、問題制作者が答えさせたいことなんですね。だから作者の心情とかを考えるより、制作者の心情を考えたほうが分かりやすくなるのですよ」とも言っていた。
これは野坂昭如の話を思い出すな。確か野坂昭如の娘が国語の教科書で父親の「火垂るの墓」が載っていて文章の後にあった問いに「この時の作者の心情はどうだったか答えなさい。」という問いがあったので、作者の父親に聞いたみたら、締め切りに追われて、死にそうになって書いたみたいな事をいわれたという話。まあ、この話は大げさだけどね。

しかし普通大学用の予備校に行ったことないけど、予備校とかでもこういう教え方しているのかな?


でも変な学校だったな。男子校だったのだけど、マニア、オタクの巣窟。それに俺がこの学校選んだ理由もまた謎。確か家から二番目に近い高校だったからだと思う。自転車で5分。そしてそれを志望動機として、入学の面接で言う俺もまた謎。よく考えたら、就職の面接のときに「貴社を選んだ理由は、私の家から最も近い場所に位置する会社でありましたので選びました。もちろん!貴社が他の場所に支社をおいてないことは、調査済みであります!」とは言わないモンな。



えっとだいぶ話が長くなってしまいました。しかも話にまとまりがないです。しかもイタリアブログと言いつつ、最近全然イタリアっぽくないし。とりあえず、イタリアで一番長い川、ポー川の写真でも載せて、ごまかしておきます。