剣客商売 番外編 ないしょ ないしょ (新潮文庫)作者: 池波正太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/05/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (11件) を見る

試験も終わったので、久しぶりに文庫を買ってみました。剣客商売の番外編です。剣客商売シリーズはまだ読んだことないのですが、今回トリノの本屋でこれと一緒に買ってみました。両親を失ってから数奇な運命をたどる少女の、これまた池波先生お得意の主人公成長型長編です。読んでいて前に読んだ「夜明けの星」に感じが似ているなと思ったら、後半に登場してくる人物の何人かが、「夜明けの星」にも出てきたような気がしました。舞台が同じ本所だし、こういう仕掛けもアリですかね。

剣客商売 二十番斬り

剣客商売 二十番斬り

そして読み出したら止まらず、続けてこれも読んでいます。「ないしょないしょ」で仇討ちする女主人公お福を助太刀する老剣士、秋山小兵衛が主人公の剣客商売シリーズです。いきなり15弾から読んでます。すみません。

しかし途中で小兵衛が、あの鬼平もやっていた爪に竹串をさす拷問シーンがあったけど、よく考えたらこれはそんなに残酷な拷問じゃないような気がしました。確かにやられるほうは死ぬほど痛いのだけど、身体に与えるダメージは最小限の拷問だということに気付きました。悪人に白状させるために、最小限の損傷で最大限の苦痛を短い時間で与える拷問、この辺に作者の合理性とさりげない気遣いが読んで取れるというと大げさですかね。こういうところでも鬼平達は、悪人のこと気遣っているんじゃないかなぁ。しかし相手が筋金入りのマゾキストだったら意味が無いな。あと、こう書いている俺は死んでもごめんこうむります、こんな拷問。

しかし池波正太郎の小説を読んでいると、老年になったほうが人間魅力的になるんじゃないかぁと思います。かっこいいジジイが多いぜ。そういえば本所の両国には、病院で働いてたときの出先があったので、そこで昼休みを取り飯を食べた後、よく一人で江戸東京博物館の無料休憩所で所在無く時間を潰していました。あの頃本所を舞台とする池波正太郎の小説読んでいたら、もうちょっと楽しかっただろうなぁ。まあ、遠いイタリアから日本のことを思いつつ小説を読むのも悪くはないか。そういえば、両国に旨いつけ麺屋があったのだけど、なんていう名前だったかな?日本に帰ったら一度食べに行こう。


今この日記を家で書いているのですけど、アパートの廊下で女の人が大きな泣き声で誰かに電話してます。別れ話かな?そういえば、この前グループで飛行船のデザインを一緒にやったマッテオが、四年間付き合った彼女と別れてしまったらしいです。向こうからの別れ話だそうです。かなり落ち込んでいました。まあ、次があるさ。