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- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1990/06/27
- メディア: 文庫
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相変わらず、読みまくってます。池波小説で女を主人公にした作品があり、「乳房」「夜明けの星」「旅路」「雲ながれゆく」、それにこの前読んだ「ないしょないしょ」と、この「まんぞくまんぞく」です。16歳の頃、浪人に家来を殺され、犯されかかった武家の少女が女武芸者に成長する話ですが、最後に主人公にも謎だった彼女の出生の秘密が、読者だけに明らかにされてなんとも言えない後味を残す小説でした。
ところであとがきを読むと、池波正太郎が「私は書く前に、あまりストーリーをきちんと決めないことにしているんだ。読者だって作者が初めから筋を決めてかかれば、わかっちゃうんだよね。作者自身どうなるかわからなければ、読者もわからない。作者も読者もはらはらしながらストーリーが進んで行くというのが一番いいんじゃないのかなあ」と話していたと書いてありました。
こう聞くとかなり危険な感じもしますが、デザインのほうもいきなり作るものを決めてかかると、結局それ以上の物は出てこない気がします。それよりもとりあえず大まかなことだけ決めたら、後はスケッチをしたり、色々な物を調べたりして、どんどん成り行きに任せて、最初にこだわらずどんどん変えていったほうが良いと最近思ってます。しかし怖いのは、アイデアがなかなか煮え切らないでズルズルいってしまうのは嫌ですね。これは経験を積んでいくしかないのか?
そういえば鬼平犯科帳の長谷川平蔵も、とりあえず考え込む前に動き出して、その後流れ流れでやり方を決めていくというようなことを語っていたような気がします。この辺に作者の性格が投影されているようです。