部屋の模様替えをしました。といっても、ベットと机と棚の位置を取り替えただけなのですけど。

まあ何故かと言えば、理由は隣人です。相変わらずとんでもない時間に朝帰りしてうるさかったりするのですが、問題はそれだけじゃなくどうも部屋と部屋の壁が薄いのか音が響きやすいのか、お互いの話し声が丸聞こえなんです。あっちの寝言ですら聞こえますから。そんな訳で、隣の部屋側にあったベットを通路側に移しました。と言っても、猫の額ほどの部屋ですからあまり意味はなさそうですが、気休めにはなるとおもいます。

しかし、二つの家具の位置を変えるだけで、えらい苦労しました。この部屋、最初に来たときから、家具類はすべてそろっていたのですけど、壁に掛けている絵の位置までパーフェクトに配置されていて、一番最初に大家と契約書のサインをするときに、一緒に額に入った絵を数えたら8枚もありました。どこをどうやったら、この狭い部屋にこんなにいっぱい絵を飾るのか不思議です。どうやら少しでも空いた白い壁は、親の敵の如く埋めるのが大家の性癖のようです。しかしこの部屋、すべてが新品で内装も新しくしたらしく、部屋を使うのに気を使います。

そんな訳で、せっかく大家がパーフェクトに飾った絵たちも背丈ほどの棚を動かしたら、邪魔な障害物と化してしまい、いくつかの絵は壁から外されました。しかし今度はベットの上の壁が空いたな、ここに絵を移すかな?しかし釘が問題だな。この部屋出て行くときは、また家具を元の位置に戻さなきゃいけないしな。元に戻すときに釘穴を、学校から失敬してきた漆喰で埋めて隠すか。


あと耳栓も買いました。羽毛とシリコンがあったのですけど、シリコンはそんなに高くなかったので、本能的に迷わずシリコンを選んでしまいました。男はチタンとかカーボンファイバーとか、新素材に弱いのです。



木曜は学校に行くと中庭にテーブルが並んでいて、何があるんだろう?と思って教室に行くとクラスメート曰く、BMWのお偉いさんデザイナーChris Bangleが来ているそうでした。結局俺は見れなかったのですけど、この人かなりの有名デザイナーらしく、先週来る予定だったのにキャンセルになった時は、みんながっかりしていました。しかし何故、うちの学校にBMWの大デザイナーが来るかと言うと、3年生が彼の前でプレゼンテーションをするという名目だったのですけど、本当のところは来年の俺たちの卒業制作がBMWになるんじゃないかという話をみんなしてます。あとでジャーコモがこの人と一緒に撮った写真を見たら、ジャーコモは石のように横に座っているのに対し、人差し指と親指でピースをして茶目っ気のあるおっさんでした。


その夜、ミケーレが先生のジジとみんなで飲みにいくのだけど来るか?というので、ついていったらジジと一緒に日本人の人がいました。話してみるとうちの学校卒業した先輩でジジとは同期だったらしいです。イタリアの有名企業P社でデザイナーとして働いているらしいのですからすごいですね。イタリア人との会話も問題なく受け答えしていました。

そういえば飯を食べに入った店に、他に日本人らしい人が二人いたのですけど、ジジと一緒に来た日本人のひとに聞くと、テレビのキャスターだと言われびっくりしましたが、名前は誰だか思い出せなかったようです。誰だろう?スポーツ関係かな?

その後、ジジのおばあちゃんの無限夕食料理地獄の話や、鶏をしめたときに首なしで走り回っている鶏にばあちゃんが包丁を投げつけて息の根を止めた話など、ジジのハイパーばあちゃんの話で夜はふけていきました。