後期の授業はパソコンが多いのですけど、使っているソフトは3D系のAliasとRhino、グラフィック系はPhotoShopPainterの合計4つで、かなりややこしいことになっています。コマンドの操作がそれぞれで違うから、ズームや画面を動かすときに押してるキーをよく間違えます。多分違うソフトを同じパソコンでやっているからこうなるのだと思います。例えば道具なら、ドリルや電動ノコギリなどそれぞれで違う形の物を扱うから、こういうことは起こらないと思います、と思ったけど、車やバイクでも乗り初めの頃はそれぞれで混乱することがあったな。多分そのうち慣れてくると、使い分けが出来てくるようになると思います。

しかしこれで絵を描くのに、AliasのSketchBookも追加したら訳が分からなくなるな。しかし他の人を見てると、SketchBookはPainterよりきれいに描けそうです。コマンドも分かりやすくて使いやすそうだし。問題はPainterは紙のように画面が回せるのに対して、SketchBookは回らないことですが。う〜ん、そろそろ試験も近いが、どうしよう。


今やっている車は、フィアット グランデ プントをベースにしたミニSUVなのですが、どうせならと言う事でテーマが「日本」です。来年の三年生になったらグループ課題になってしまうから、日本的なことをやるなら今しかないです。車のボディデザインと内装のインテリアデザインの授業があるのですけど、外側は魚と浮世絵のイメージで、内側は着物イメージということにしました。

しかし絵を描くのはスランプなのですが、アイデアのほうは不思議と出てきます。多分大学で習った、創造工学演習のアイデア発想法とエモーショナルマップの手法が役に立っているようです。エモーショナルマップはテーマを決めて、それに見合った写真やイメージなどを貼り付けて、出来上がったボードからアイデアやデザインを出すという方法なのですが、今回はボディのデザインが「魚と浮世絵のジャパニーズデザイン」ということなので、浮世絵はもちろん、金魚や、変な形の飛行機、曲がりくねった建築写真などの貼り付けたイメージから、どうやらS字のラインが主線の魚デザインに行き着いたようです。インテリアのほうは、ストレートに能の写真を貼りまくって、着物から布の効果を狙い、マテリアルを斜めに重ねたり、折ったりという感じで仕上がると良いです。ハンドルにはアイデアとして扇の可変性を取り入れたいけど、なかなか機能と結びつかないです。

そんな訳で、大学の頃は絵も描かずに怠惰に過ごしたから、今の学校でかなり苦労してますが、すべてが無駄だったという訳でもなさそうです。しかし、よく考えたら、大学に入るときも美術大学なのに絵を描かずに入学試験パスしてました。選択試験に論文という項目もあったので、そっちで受けたら受かったのです。絵も描けないような生徒を、美術大に入れてしまう不思議な母校だ。

ちなみにモデル製作の試験結果も、大学の頃モデルばかり作っていたおかげか30点満点でした。まあでもこの試験、満点続出なんですけどね。うちのクラスだけで、五人はいました。あとマーケティングの試験結果も出ました。オレのグループはオレ以外27点で、オレは26点でした。他の人を見ても27点が最高点で、どうやらウチのグループのプレゼンテーションが良かったみたいです。ちなみに何故俺だけ一点低いかと言うと、筆記の点数が皆より低いからです。それでも一点低いだけは予想外。


そういえば、エモーショナルマップに隅田川を運行している松本零士デザインの遊覧船HIMIKOを貼ったのですけど、みんな俺のイメージボードを見たときに「これはなんだ?」と訊きます。やっぱりかなり印象が強いようです。

この写真はむかし働いてたときに、HIMIKOを両国橋の上から昼休みに撮った写真なのですけど、ホントにすごい形してますよね。運転席のでかいガラス面は第二次世界大戦爆撃機のコックピットを思わせるデザインで、まさに松本零士といった感じですが、これこそ世界を驚かせるジャパニーズデザインだと思います。ちなみに松本零士の「銀河鉄道999」はこっちでも有名です。そういえば松本零士のメカは宇宙戦艦ヤマトにしてもキャプテンハ−ロックの戦艦にしても、昔のモチーフを元にして未来的な物に仕上げているな。


ところでなんか知らないけど、急に望郷感強くなっています。あと一ヶ月もしたら、日本に帰国できるからでしょうか。そう考えると気分的には、家まであと5分のところでトイレ我慢している子供と変わらないような気がします。まあ別に帰国しても、することが無ければ今度はイタリアに戻りたくなるのですから、人間勝手なものです。多分学校を卒業して日本に帰った時は、またイタリアに戻りたいなとか思うのでしょうか。しかし日本で働くようになったら、いずれイタリア語も忘れるのかなぁ。

そういえば、最初に住んだペルージャなんかも懐かしいです。俺が語学学校辞めるときには先生が「これから毎週末、トリノからペルージャに遊びにこい」なんて言ってたけど、もうみんな忘れたでしょう、語学学校は生徒の出入りが激しいから。


まあでも先のことは置いといて、今週の木曜はいきなりインテリアの試験です。相変わらず、色塗りが苦手なのが問題なのですが、集中力も欠いてます。よく考えたら、夏休みの前にとても重大な現実が控えてました。落第しなければ、もうすぐ二年生も終わりだ、こえ〜。