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- 作者: 開高健
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1979/06
- メディア: 文庫
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そんな中昨日から久々に学校が始まって、始業式みたいなことをやってから、ミケーレやマッテオなどと共に猫の額ほどの場末ピザ屋プルチネッラに行きました。相変わらず店では店主のフランチェスコが、気の利いた毒のあるジョークで客をいじり倒しながら、手に持ったピザ生地を右や左へと広げています。奥の無口なマリオっぽい親父もいつもと変わらずたんたんとピザに具を盛りつけていますが、ふと見るとフランチェスコのTシャツの背中にPIZZAIOLO書いてあるのを見つけました。ピッツアイオーロと読めるのですが、これは確かマッテオたちが良く注文するピザの名前じゃないか?とそのとき思ったのですが、家に帰って辞書でみるとピザ屋の店主とかそういう意味でした。要するに店主オリジナルのピザという意味なのか?と解釈したのですけど、真相はまだ分かりません。
しかし、毎回ピザを注文すると貧乏性なのか、いつもハムやキノコなど具が一杯入ったピザを選んでしまいます。それで脇でマッテオなんかがモッツアレラチーズにゴルゴンゾーラ、洋梨のピザなんかを食べていると、なにやら旨そうで一切ればかり貰ってみると、甘い物が入っているくせに洋梨とゴルゴンゾーラの絶妙なバランスで旨いじゃないか、ポテトのマヨネーズサラダにリンゴが入っているのは許せないが、これならこっちから土下座して謝る組み合せだと唸ってしまいます。
昨日なんかもマッテオは、ピザにトマトペースト、ニンニク、ケイパーなどを煮つめたようなソースを乗せただけの物を食べていたのですが、相変わらず意地汚い犬のような目でそれを見ているとひと切れ恵んでくれて、ちょうどプッタネスカソースの唐辛子抜きのような味がして予想外の美味さでした。そしてあまりの美味さにそのピザの名前を記憶から消去するという副作用まで起こしました、嘘です。確か PIZZA MARINATAとか言う名前だったような気がしますが、もしこれを見た人がイタリアで注文して、まるで違うピザが出ても怒らないで下さい。
他にも4種類のチーズを入れただけのピザとか、聞いただけではとても頼む気がしないようなピザがあるのですけど、こういうのが意外にいい味を出しているような気がします。それで考えたのは、ピザとは日本でいうウドン、ソバのような物じゃないかと思いました。ウドンなんかもキツネや月見などメインを麺に持って来て具は少なく単品に絞り味の方向性を分かりやすくしています。中には鍋焼うどんなんて具のオールスターメニューもありますが、それでもその中にとろろや甘い味の染みた油揚げを入れるような暴挙はしません。少し話が逸脱しました。要するに具をいっぱい入れたピザではなく、味の方向性を見定めた、潔いピザも有るんだという心構えが必要なのではないかと思う日々であります。しかしまたプルチネッラに行ったら、 具大盛のピッツアイオーロを頼んでいるような気がします。栄養バランスはこれが一番取れていますので・・・。