なんか最近水が臭いです。この前シャワーを浴びていて、ワキガみたいな匂いがして、“ああ、俺の青春時代は終わった”とか思っていましたが、台所からも同じ匂いがするので嗅いでみると、原因は水道の水でした。何故なのか想像すると妙な考えが出てきますが、あまり深くは考えないようにします。とりあえず、直接飲むのはやめてみます。

この前のプレゼンテーションが終わってから、しばらくトリノは天気が良いです。昼下がりのやわらかい日光にさそわれて川沿いの道を歩くと、見事までに東側の対岸が紅葉していました。そういえば日本に居たときに、いずれは多摩川なんかの水辺のあるところに住みたいなと思っていましたが、幸運にも今はイタリア最長のポー川から歩いて5分のところに住んでいるので、念願の夢が叶っていることに気づきました。トリノで一番落ち着ける場所は実はこの川沿いなんじゃないかと思うと、かなりいい場所に住んでいるような気がします。


土曜にトリノ・ポルタノォーヴァ駅の東側の通り、ヴィア・ニッザに行きました。ここにある中華食材店が目当てなのですけど、相変わらずここのアーケード下の遊歩道は、怪しげです。意味も無くそこらをぶらぶらしている外人たち、パチ物のサッカーユニホームを売る物売り、酒樽のようなとうの経った酒樽のような娼婦らしき女性、ボケーっと突っ立ているお爺ちゃん、柱の物陰からぬっと出てくる奴、見た感じこの辺70%ぐらいは外国人じゃないのかと思えます。

いつもは角に警察の車が止まっているのですけど、土曜なんかにイタリアの警察が働くはずがありません。そんなわけで土日祝日、この辺は飢えたハイエナみたいのがウロウロです。しかし不思議なのはこのあたりのホテル、三ツ星や四ツ星なんかの結構良いホテルがあるんですね。星の数はどうやらホテルの設備によって決められているようなので、中はもちろん良いホテルなのでしょうけど、星だけ見てこういうところに泊まると厳しいなと思いました。


今まで、いつも使っている一番安いトイレットペーパーより高いのを使っていたのですけど、また安いのに戻りました。高いほうのトイレットペーパーは無くなりが早いなと思って使っていたのですけど、安いのに戻ってから紙の厚さが違うことに気づきました。なるほど、これなら節約して使えると思いました。そこで飛躍すると、トイレの紙もケチり、車にも乗らないで、服も擦り切れるまで着る、要するに貧乏というのは究極のエコだと思いました。サラダにかけたオリーブオイルも、最後はパンで皿を拭くように取り去り、最後の一滴まで腹の中に収めれば、洗剤も水も節約できるというわけです。ケチも突き詰めれば立派なエコロジーです。


骨付きの豚肉が安かったので、ワインと缶詰トマトで煮込んだら信じられないくらい油が出てきました。こりゃ豚骨スープだ。まあ味は悪くは無いのだけど、なんか健康とかのことが気になります。まあでも、モンゴルでは羊を血の一滴も大地に垂らさず全部頂くというから、大丈夫か…大丈夫か?しかし肉と言うのは煮込むと小さくなるモンですね。昔、大友克洋の漫画で昭和三十年代の話があったのですけど、すき焼きの肉で喜んでいる弟にお姉ちゃんが「お肉が縮んじゃうからゆすったらだめでしょ」というのがありましたけど、久しぶりにすき焼きが食べたいです。