昨日は恐ろしく雨が降っていたので、家でおとなしくしていたら、ラジオからトリノ市街地の北を横切るドーラ川の水位が上がって、洪水しそうだと言っていました。それを聞いて見に行きたいと思ったのですけど、それが元でなんかあったらアホらしいのでやめておきました。

そして今日は久々に晴れまして、昼頃家の近くのポー川を見に行ったら、いつもはどっちが川上か川下かも分からないような流れのポー川が、今日は多摩川の3倍増しほどの勢いで流れておりまして、水もいつものよどんだ緑色じゃなく、土っ気のある泥色。そして堤防下にあるバーやディスコは見事に水没しておりました。それでついつい興奮してしまい、カメラで写真を撮っていたのですけど、周りを見ると意外に携帯電話のカメラではなく、ちゃんとしたカメラ持参で見学の人々が多いことに気付きました。昔に日本人はカメラ持って、何でも撮るとか言われてたけど、今じゃイタリア人のほうがよっぽどカメラ好きのような気がします。そしてテレビ局なんかも来てました。

ところで、橋の脇のところにお母さん連れの5、6歳ぐらいの女の子がいたのですけど、その子が石橋の上にひょいと飛び乗りまして、すぐにお母さんが手を引っ張って降ろし、叱っていたのが気になりました。あとでそこから下を見ると、橋から水面への高さが10メートルぐらいあるのですけど、下を流れる今日の川の流れから言っても、落ちたらあっという間に流されて、まず助からないでしょう。上から見下ろしただけでもゾッとしました。ああいう子供を連れていたら、心臓がいくつあっても足りない。もっともお母さんは慣れっこのようで、平然と叱っていましたけど。そういえばよく考えると、あの女の子アラレちゃんに似ていたな。顔に比べて大きすぎるメガネ、髪を二つに分けたおさげ、行動の無謀さから言ってもアラレちゃんぽかったです。

これがそのポー川の写真。いつものならこのテント下に、バーやディスコが立ち並ぶ遊歩道があるんです。そして写真が小さくてわかりにくいのですけど、水面から並んで突き出ている街灯がシュールでした。

しかし結構興奮しましたが、家に帰る途中に多分世の中には災害マニアと言う不謹慎なジャンルがあるのではないかと思いました。台風に洪水、大雪、果ては地震、自分の生活圏で危険じゃなければ、それを見に行きたいと言う衝動。そういうのが行き過ぎると、竜巻や火山噴火なんか見に行っちゃうんじゃないかと。