新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)

新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)

この本読みました。短編集で相変わらず、藤沢周平の小説の主人公は男と女のややこしい関係や陰険な権力闘争に巻き込まれるなどが多く、こんな話はまっぴらだなと読みました。やっぱり人生は簡単に過ごしたほうが良いのですが、実際もそうもいかないのが人生ですかね。生きているからには仙人にでもならない限り、他の人生と接触しますから。それでも自分の人生は単純な方だから、本だけの世界だなと胸をなでおろしています。でも最後の話は結構救いがあって後味は悪くなくなりました。

おさん (新潮文庫)

おさん (新潮文庫)

こっちの本は読んでいて、山本周五郎はすごいなと思いました。山本周五郎黒澤明の映画やその他で知っていましたが、読んでみると上手く言えないのですがまあすごいと思いました。前に「朝顔草紙」を読んで、シナリオが稚拙なのは昔の作家だからかなとたかをくくった覚えがありますが、この本はまあどうして話の確かさ、人物描写の豊かさと、非の打ち所がないようだと勝手に思い込みました。今読んでも、全然見劣りがしないような気がします。

風流太平記 (新潮文庫)

風流太平記 (新潮文庫)

でそのあと、これも読みました。長編の冒険活劇ぽくてエンターテイメント性が強いのですが、どうして話の筋立てといい、人物の設定といい、良く出来ていると思いました。ちょっと前に読んだ西村京太郎の「無明剣、走る」とは質が違いすぎると思いました。作者の人生観の深さが伺われます。


しかし最近このブログは読書感想文化してますね。タイトルも「裏の書庫にいます」と変えましょうか。いや、読みすぎだろう。今日からまた気合入れ直して、絵を描き出します。

あと、となりのはてなアンテナにN_Hというブログを追加しました。イタリアに住んでいる友人の日本人ブログです。しかしこれから続くのかどうか、いまいち謎です。様子を見ていこうと思います。