侍はこわい 時代小説 短編集 (光文社文庫)

侍はこわい 時代小説 短編集 (光文社文庫)

前にも読んだ本ですけど、またいま読んでいます。日本語の本を買うと、すぐ読み出してしまうので自粛しているのですが、置いてある前読んだ本にも手が出て、切りがありません。

しかし前に、司馬遼太郎は関西人より東国の無口な武士のほうが好きなんじゃないかと思ったのですけど、この本ではそれを覆すような魅力的な関西人二人の活躍が書かれています。犬猫のように野生に戻ることによって剣術の真理があると信じる、みょうが斎こと久富源五郎はやることなすこと狂人的なんですけど、無口で意固地な関東武士とは違って本音で生きている感じが良いです。

そういえば思ったのですけど、きつねうどんを頼んで、もし本当に狐の肉を出すような店があったら、誰が文句を言えましょうか。たぬきうどんでも、その可能性はあります。


で昨日、夜寝ようと思ったときに、斜め向かいの家に人が集まっていてうるさく(アパートは中庭を囲んだロの字型をしてます)寝ようにも眠れないので、絵を描いてました。良く隣がうるさいときがありますが、こういう時はどうやっても眠れないので、逆らわず課題でもするのが賢い過ごし方なんですね。どうせ学校は夕方から始まるのだから、朝起きるのが遅くなったってたいしたことないのですから。それで夜12時を過ぎてから、誰かが戸を叩く音がするので開けてみると、イタリア人のカップル二人が立っていました。一目見てこの二人が騒ぎの人々だとは分かったのですけど、「知り合いになるために、ビールを飲みに来ませんか?」と言うではないですか。それでまあ、「一杯だけなら」と言い、後を付いて廊下を通ると部屋の中には7,8人ほど人がいました。最初は学生の集まりかな?と思ったのですけど、どうやら話を聞くと近所の若い人々が集まって飲んでいるようです。

それでビールを貰って、黙ってグビグビと飲んでいると興味深い人が、どこから来た?とか、トリノで何している?ときいてきました。こうなると不思議なもので、さっきまで近所のうるさいイタリア人どもがとしか思わなかったのに、親近感が沸いてきて人間勝手なものだなと思いました。いろいろな話を聞いていると、さっきのカップルが家の住人らしく、二人ともスイス・フランスに近いヴァーレ・ダオスタの出身と言い、男のほうに「じゃあ、フランス語喋れるの?」と言うとかなり酔っ払ってるせいか、その後俺にフランス語で話しまくってました。女の子のほうは「リモンチェッロ(レモン味の酒)は飲んだことある?」と言うと、コップに並々と注いでくれまして、意外に人懐っこい気の良いカップルだなぁと思いました。それにしても、これから暖かくなってイタリア人たちの活動が活発になってきたようです。