いま何故かネットが家で繋がっています。こっちの家はワイヤレス回線を使っている人が多いのですけど、大抵プロテクトがかかっていて、パソコンに引っかかってもいつも指をくわえてみているだけでしたが、今日は珍しく初めて使えました。要するに盗線です。しかしいつかこの回線も持ち主が気づいてプロテクトかけるのだろうな。いや、ただで拾った物にけちをつけるのもおかしいか?そうだ、今日はラッキーだな。


最近、どういう心境の変化か、全時間ほとんど討論などをしているラジオ局を聴いてます。

そこであるテーマがあったのですけど、それが気になりました。それはある親が子供がタトゥーを入れたがっているのだけど、一生残るものだし、どういったら良いのだろうと言ったものでした。こっちの人はよくタトゥーをいれている人がいるのだけど、さすがに15歳ぐらいから刺青を入れるのは抵抗があるみたいです。そこでイタリア人らしいのは、友達で入れている人がいるだの、今は流行りだなどと、他人の目を気にするような理由が入ってくるのは、日本人みたいで良く似ているなと思いました。

そういえば去年日本にミケーレを連れて行ったとき、「日本のタトゥー入れたいのだが、どこでやれる?」と聞いてきたので、“そんなところ俺が連れて行ったら、うちの親にぶっ飛ばされる!”と答えときました。それでミケーレが「何故だ?俺が良いといっているのだから良いじゃないか?」としつこく聞いてきましたが、だいたい日本のはタトゥーじゃなく刺青な訳で、意味が違いすぎるわけで、それだけは無理だと言っておきました。しかし昔、立川の昭和記念公園で腕にミツバチハッチの刺青を入れている白人さんを見たけど、あれを見て「こち亀」である組の親分さんが背中に、アルプスの少女ハイジの刺青を入れて喜んでいるのを思い出しました。そうだ、日本のタトゥーを入れたいなら、ピカチューでも彫ってもらえばいいんだ。ミケーレにそれなら良いと進めておこう。


先週はミケーレがミラノの実家の車RAV4で来たので、夜にトリノ散策に出ました。俺とミケーレ、マッテオという相変わらず女気ゼロのメンバーですが、トリノの夜景が見れるところに行こうということで、トリノポー川を渡って東岸すぐのモンテ デイ カップチーニという丘の上に上がりました。さすがにここは展望の有名なところなので人がたくさんいましたが、川岸に生えてる木々が対岸のトリノの夜景を邪魔してあまり見晴らしが良くないし、トリノ夜景も思ったほど明かりが少なくたいしたものじゃなかったです。

それで、もうちょっと東の丘陵の奥のほうにドライブしに行こうということで、車を進めていったのですけど、なにやら迷いに迷った結果、5キロほど奥に行ったところに妙な公園を見つけまして、ちょっとここを見てみようと降りてみると、丘を上がったところに、この山奥に異様なほど馬鹿でかい天使の像が立っている広場がありまして、そこから眺める眼下にはトリノの夜景が完全に一望できました。見るとさっき物足りなかったトリノの夜景の光は、展望する場所の高度が低すぎたことが分かり、ここから見る夜景はトリノから数キロ離れていて霧が出ていても、十分見るに値する眺めでした。それにこの馬鹿でかい天使の像だけがドカンと広場に立っている景色だけでも度肝抜かれまして、あとで看板を見ると天使ではなくヴィットリア(勝利の女神)だということが分かりました。なんでも第一次世界大戦のイタリアの勝利(イタリア勝ったんですか?)を記念して作られたものらしく、高さは天使が18m、台座も入れると26mにもなるものでした。手にはランプを持っていて、その中の電球がくるくる回っていたのですが多分あれは飛行機のための灯台の役目を果たしているようです。
(どうやらここれのようです。http://www.google.co.jp/images?q=torino%E3%80%80faro+della+vittoria&oe=utf-8&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=li&biw=1688&bih=891&uss=1

それでその二日後、ミケーレが「夕飯の後、アンドレアたちと一回りしないか?」と電話をかけてきたのでまた出て行くと、アンドレアの同居人カルロもきまして、四人雁首そろえて「さあどこ行く?誰かトリノの周りで良いところ知らないか?」ということになりました。地球の裏から来た俺はもちろん、北東イタリアの山奥トレントから来たアンドレアとカルロ、そして比較的一番近いミラノのミケーレと、誰もトリノの回りに何があるのか知りませんでした。それで結局、トリノからちょっと行ったスペルガの丘にでも行くかということで、行ってみましたが昼間に見るほどの良い展望は見えず、さっさとトリノの市街地に戻って酒でも飲むかということになりました。そこで入ったバーのウェイトレスの女の子をミケーレが見て、今すぐ結婚しても良いというぐらい気に入ってしまい、「なんて女の子だ、ハートを射抜かれた」と言ってました。それでアンドレアも「うん、確かに美人だ(もっともアンドレアは本音を言わないで、適当に合わせる回答が多いのですが)」というのですが、俺には般若のようなキツイ顔をした女の人でむしろ恐怖を覚えるものでした。それでミケーレが「おい、どうだ?」と聞いてくるので“いや俺はちょっと…”というと、「お前はホモか!」という罵倒が返ってきました。そこで思い出したのが、昔病院で働いていた頃に、街で歩いていたらインド人に突然求婚されたという同じ事務の女の人がいまして(けして不美人というわけでもないのですが)、なるほど世界の美的感覚というものは、必ずしも一定じゃないのだなということを思いました。そんな訳でアホなことを思いついて、各国々で美人タイプの統計をとって、結婚もしくは恋人に悩める人々にどの国がその人その人に合っているか、アドバイスをするビジネスが成り立つのではないかというくだらないことを考えてました。要するに日本で超美人だといわれている人が、外国に行って超美人かいうとそうでもないこともあるようです。井の中の蛙大海知らず…とはちょっと違いますが、価値観は一定じゃないのです。時代によっても変わりますしね。

そんなこんなでここ数日は、夜に当てもなく車でうろつきまわったのですが、なんか大学の頃を思い出しました。あの時も野郎だけで夜景見たりとか花火やったりとかしてたなぁ、どうも俺の周りはいつも女気がないのが特徴です。まあそのせいか知らないのですけど、気の良い奴が多いのですが…。