卒業制作の準備が始まってます。まあよく分からないのですけど、マッテオとも順調にいってます。そして俺たちが今やっているコンセプト作りも先生の反応は悪くありませんが、今まで「これなら良い」と言われて進めていったものが、ふたを開けると評価が低いなどということは何度くったことか分からないので、そのまま鵜呑みにするのも不安です。大体選ぶのは課題担当の先生じゃなく課題メーカーのBMWなわけで、疑いだしたらきりがないです。しかも今年は厳しいことに今は16あるチームが、コンセプト発表自体で12チームに、最終1/4モデルで8チームに絞られるという、学内競争となっています。毎年は全部のチームがモデルまで作れるのに、なんで今年ばっかこんなんなんだ。弱気なことに、やる前から心配しております。

相方のマッテオは今週末、彼女サーラのいるパヴィアに逃亡しました。ヤツの心配なことは週末に必ず、実家かパヴィアに行っちまうことだ。



これ読みました。話は、満州事変後に日本の満州関東軍を調査するためにやってきた国際連盟リットン調査団から、日本外務省が急遽組織したスパイ集団が調査中の書類を盗み出し、満州拡大に武力暴走する関東軍にブレーキをかける切り札にしようと計画するという物語でした。

始めのほうはその頃の世界情勢や日本の立場など政治的な事柄が多く、読むのに骨が折れるのですが、中ごろから調査書類を盗むべく組織されたプロのスリ集団が活躍というあたりから、ぐっと引き込まれます。特にすごいのは、絶対に無理なトランクの鍵を相手の懐から盗み出す計画でスリ集団の親分が、「誰か、自信のある者はいねえか」と子分に問うと、みんな尻込みしてしまい「こいつらは、スリを手だけの業だと思ってやがる…本当の腕の良さというのはね、手じゃねえ、おつむでさ」と言って、手品のような方法で盗み出すのは見事でした。第二次世界大戦前の日本の勉強にもなるのですけど、小説としても面白かったです。

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

第二次大戦時の日本を読んだあとに、戦後復興の日本に尽くした白洲次郎の本を読む流れになったのですけど、前の本で旧日本軍の暴走ぶりを目の当たりにしたあとに、この本を読むのは気持ちが良かったです。海外留学生が白洲次郎の本を読むのはいかにもとという感じでちょっと気恥ずかしいのですが、筋が通すというのは気持ち良いものです、まさかこれを真似するわけにはいかないのですが…。占領軍にも一歩も引かなかったけど、日本人の誰に対しても一歩も引かなかったのも見事です。しかし白洲次郎この人、口が悪いのは照れ屋の裏返しか?