内緒の話ですが、今どこかの家のワイヤレス回線を拾ってネットに繋がっています。しかも場所が限定されていて、家のある一角にパソコンを持っていくとインターネットが繋がるのです。それはソファーベットに座って、中心よりすこし右ずれ、そしてノートパソコンはヒザの上という位置なのですが、これを10cmも違ってはならないという厳密さでありまして、ヒザからパソコンを下ろしてソファーに置こうものなら、回線が切れるのです。しかし最初に繋がったときはテーブルの上だったのですが、その後キッチンそばの棚、ソファー上とだんだん移動しているようです。来週には玄関外でパソコンをいじくっているかも知れません。


今年はパスクア(復活祭)が23日でして、去年が4月の中頃だったことを思い出すと、かなり早い時期でした。しかしこの祝日毎年日にちが変わります。なんか基準となる日があり、計算法があったような気がしたのですけど、思い出せません、というかイタリア人から聞いたときに、覚えようとも思ってなかったので、思い出せるはずがありません。

そんな訳で、今年もマッテオの家に行ってお世話になりました。(といっても去年はパスクア翌日のパスクエッタだけでしたが)トリノから電車で40分マッテオの地元近くのサンティア駅でマッテオと落ち合って、郷土料理屋のレストランで昼食をご馳走になってしまいました。行くとマッテオの親戚叔父叔母たちが勢ぞろいしていて、いかにもイタリア的です。そんなこんなで食事が始まったのですが、何皿食べたか良く分からないほどたくさん出てきて最後はきつくなってしまいました。子羊の肉とリゾットがとりわけおいしかったです。あとは料理の知識がなさ過ぎるので、なんと言って良いのか分からないかのですが、かぼちゃのプディングみたいのが美味かったです。いつもせいぜいピザどまりの食生活しか送っていないので、たまにレストランなどに連れて行ってもらうと、何を食べているのか分からないです。ちなみに1時頃から始まった昼食は4時過ぎに終わりまして、3時間以上も食べ続けた計算になります。


その夜は、マッテオも俺も夕食はフルーツだけにしたのですが、そのあとマッテオのなじみのバーに行ってマッテオの彼女サラや友達のダニエーレ、ブスコ(これはあだ名で本当の名前はまだ知らないです)たちと飲みました。久しぶりに見るサラは去年よりやせて可愛くなったような気がしますが、気のせいか背も低くなったような気もしました。しかし体重の話になると俺が「57キロだ」というと、明らかに驚きをあらわにしまして、それで俺よりも体重が上だということが全員に分かってしまいました。しかもよく見ると俺よりも背が低い…。そして話はマッテオたちとルームシェアで一緒に住んでいる、ベジタリアンのステファーニャに移ったのですけど、こっちは37キロ!背は俺と同じぐらいなのですが、あまりに軽すぎて全員びっくりしました。マッテオが80キロなのだから、ゆうに二倍の計算になります。

さてこのバーはイタリアに良くあるアイリッシュパブなどと違い、珍しくオーストラリアパブでした。(オーストリアではないです)それで誰か店員にオーストラリア人でもいるのか?とマッテオに聞くと、ほぼ100%イタリア人のみで、ただ単にオーナーがオーストラリア好きだけというパブでした。そして、昼に飲みすぎたなと思って、ビールのあとは水だけ飲んでいた俺に、何故かオーナーがクリームウィスキー?(イタリア語を訳すとこうなりますが)とメロンリキュールを入れたカクテルを出して、「おごりだ」とくれました。みて見ると小さなショットグラスに、上がクリームウィスキーの薄茶色、下がメロンリキュールの緑と見た目的にはかなり妙な物に仕上がってますが、飲んでみると意外に美味くて、どうやらいじめではないようです。それで調子に乗って飲み干すと、次は多分またメロンリキュールとソーダを割ったやつをくれまして、メロンソーダのように頂いてしまいました。このオーナーとはほとんど言葉を交わさなかったのに、どうして次から次へと酒を恵んでくれるのかよく分からなかったです。しかし気になったのが、俺の聞き間違いじゃなければあとでマッテオがメロンリキュールを「ミドリ」と言ってまして、「ミドリなら日本語の緑じゃないか?」とマッテオに言ったのですけど、マッテオもそれが何語なのか分からなかった様子です。それで今ネットで調べてみるとサントリーのミドリ・メロン・リキュールというのが昔大ヒットして世界中に普及しているそうです。そんな訳でこのミドリは多分、サントリーのミドリ・メロン・キュールを指すようです。


その次の日はパスクエッタで、マッテオの友達の家に行ってバーベキューを食べたのですが、こっちは若者ばかりということで、牛の四分の一ほどはあろうかという肉をバカバカと焼きまくってました。パスクエッタは友達で集まって、外でバーベキューというのが基本らしいです。そんなわけで集まったのが全員で12人、マッテオは友人のカップル以外は知らない人たちだと言ってましたが、とりあえず酒が入りだせば、そんなこともあまり関係なくなってきます。焼きがった肉を、テーブルに乗っけると片っ端からむしゃぶりついていきます。この期間にイタリアでは何頭の牛が殺されるのだろうと、考えながら俺も500gは軽くあろうかという、レア焼きのステーキを食いました。今年は早いパスクアのせいか、外は少し寒かったのですが、心配されていた雨も降らず、良い天気でサッカーボールをけったり、卓球したり、ボケーと庭に座ったりして過ごしました。