近江商人魂〈上巻〉

近江商人魂〈上巻〉

この本をトリノ本屋マンゲツで買ったあと、しまったと思いました。なぜなら上巻という文字を見落としていましたから。ああ、下巻もあったっけな?次行ったとき探しています。しかしもし上巻だけ読んで、下巻まで読む気がなくなるような本だったらよかったのですが、残念なことに面白くてしょうがなかったです。聞いたこともない出版社だと思って、高をくくったらとんでもなかったです。

しかも主人公の商人が商売を始め出して上手く行かなく挫折を味わうのはよくある話ですが、その後旅の僧に出会って商売の本質みたいなものを教えられたという流れになりますが、それでもまだ上手くいかないというところはリアリティーがあって良かったです。その後徐々に徐々に本当の商売のコツを掴んでいくのですね。それに主人公を商人と戦国時代の殿様二人にして、商人から見た戦国時代と殿様から見た戦国時代という風に行ったり来たりするのなかなか上手く出来ていましたし、読んでいてこの作者の秀でた人間観察力も感じます。

しかしもし下巻がなかったらどうしよう。間違えて上巻だけ読むのと、下巻だけ読むのどっちがいいのでしょうかね?まあでも日本に帰れば、いつかは読めるか。だったら上巻から読んで正解ですね。